物心ついた頃から「写真を撮ることは好きだけど、撮られるのは苦手」な私ですが、デジタル一眼レフを持つようになってから、記念撮影を頼まれることが増えたこともあり、それまでほとんど使うことがなかったカメラの「セルフタイマー機能」を使って写真を撮るというシチュエーションに時々出くわすことが増えています。そんな折りに、一ヶ月ほど前に掲載されたニュース記事「カシオの不人気デジカメが台湾や中国で大ブレイクした理由」の中に、日本人の「写真嫌い」についての興味深い言及を見つけたので紹介してみたいと思います。
カシオの不人気デジカメが台湾や中国で大ブレイクした理由
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20120316/1040085/
カシオ計算機が2011年に発売したコンパクトデジカメ「EXILIM EX-TR100」が、台湾や中国などのアジア圏でブームを巻き起こしている。もともと日本での売れ行きは低調で、どちらかといえば不人気モデルに区分けされる。だが、アジア圏ではSNSをきっかけに若年層に火がつき、これまでデジカメに興味がなかった若い女性が先を争うように購買に走るほどになったという。ブレイクの要因は、EX-TR100ならではの自分撮り機能にあった。
メーカー自身が「想像もしなかった」と語るEX-TR100がブレイクするまでの経緯や、今回のブレイクを今後日本市場にどのように生かしていくのかを、同社の担当者に取材した。
<現地の人気モデルがSNSで自分撮りを披露したのがきっかけに、人気に火がついた> EXILIMシリーズの海外戦略を担当する、営業本部 海外営業統括部 QV部 部長の藤井 寛氏によると、ブレイクのきっかけは2011年8月ごろだという。藤井氏は「若年層の間で人気のある香港在住の人気モデルが、自身で購入したEX-TR100で自分撮りした姿をたまたまSNSで公開した。それを見た若者たちの間で、『こんなきれいな自分撮りは見たことがない』『どんなカメラを使っているのか』とSNSで話題になった。これがきっかけで急激に火がついていった」と語る。
EX-TR100が現地で注目されたのは、EX-TR100の特徴的な構造と、アジア圏の若年層の生活スタイルがうまくマッチしたためだ。
EX-TR100は、カメラの外側にある枠のような部分(フレーム)とカメラが付いている部分、液晶モニターの部分が、それぞれ自在に回転する仕組みになっている。通常のデジカメのようなスタイルだけでなく、カメラと液晶モニターを同じ方向に向けての撮影が可能で、モニターを見ながらの自分撮りが容易にできるのが特徴だ。
日本人とアジア圏の人々の生活スタイルの違いもある。FacebookやTwitterなどのSNSにおいて、日本人は自分の顔を出すことを極力控える傾向が強い。逆に、中国をはじめとするアジア圏の人たちは、自分の顔を積極的に公開することを好む。「自分の顔をきれいに撮りたい」というニーズが、自分撮りが容易できれいに撮れるEX-TR100の注目度を高めたわけだ。
「EX-TR100の動画紹介 - どちらかといえばこの形状は「変態デジカメ」というジャンルな気もする」
確かに、日本を除くアジア圏の人たちはもちろん、欧米人の自宅などに行くとリビングの机の上に大量の家族写真が飾られているのをよく見かけますし、その反対にFacebookやYouTubeなどを見ても、日本人は動画に写る自分の顔を隠していたり、風景やアニメキャラクターなどをプロフィール写真にしていることが多い気がします。ちなみに私の家族も写真を撮ることは好きですが、撮られることは全員苦手だったりするので、どうやら日本人の写真に対する「恥ずかしがり」はもはや国民性のようなものだとも言えます。
もちろん、ネットへの実名や顔写真の公開となれば話は別で、日本の場合は某巨大掲示板の巻き起こす「ネット炎上」や「祭り」と呼ばれる事件が絶えないのもまた事実であり、炎上に至る事の次第はともかく、それに加えて容姿の優劣に着目した個人攻撃が盛んなことも「ネット上に写真を載せるのは危ない」と多くの日本人が顔出しを控える理由のひとつになっているのもまた一因だったりします・・。
とはいうものの、国内でも最近では女性を中心に、ネットへの「顔出し」に抵抗が薄れてきているようですし、このカメラの「自分撮り」に特化した販売戦略はそこそこ成果が見られる手法なのかもしれません。ただ、国内のネット文化を見る限り、
リスクを犯してまで、自分をかわいく撮ってみんなに見せたい
という女性たちの心理は、到底理解しがたいと感じてしまうのは自分だけでしょうか? それ以前に、自分撮りを極めるなら「デジタル一眼レフ+ミニ三脚+セルフタイマー機能」のほうが良さげに思えるのですが・・。
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