2012年6月21日木曜日

広告写真の料理「美味しそう」に見えるのはなぜ?

巷に溢れる広告の料理たちは「なぜ、いつもあんなに美味しそうに写っているのか?」という疑問を持つ人は案外多いらしく、カナダのマクドナルドの公式サイトに寄せられた質問が話題になっているようです。

「マック商品はなぜ広告と違う? マクドナルド・カナダが質問に公式回答。」
http://www.narinari.com/Nd/20120618262.html
どうしてマクドナルドのハンバーガーは、広告のものとお店のものとでは見た目が違うの?――。先日、カナダのマクドナルドが公式サイトに開設している質問コーナー「Our food. Your questions」に、そんな質問が寄せられた。この質問に対し、同社は迅速な動きを見せる。「質問ありがとう。あなたの言うことは正しい。ちょっとした違いはあります。でも文章であなたに答えるよりも、私たちのマーケティング部長であるホープ・バゴッチが、このビデオでなぜなのかをお見せします」と、実際に広告がどのようにして制作されているのか、その裏側を映像で解答したのだ。
動画「Behind the scenes at a McDonald's photo shoot」(http://www.youtube.com/watch?v=oSd0keSj2W8)の中でホープ氏は、まず、店舗で「ロイヤルチーズバーガー」を購入。1分で提供された自社の商品に満足そうな笑みを浮かべると、すぐさま車でマクドナルド広報部の“秘密のスタジオ”へと向かった。そこに待機していたのはカメラマンとフードスタイリスト。さっそく彼らによる即興の広告写真の制作が始められた。(以下省略)




上の動画によれば、どうやらその鍵を握っているのは「フードスタイリスト / フードコーディネーター」と呼ばれる職業の人たちで、彼らは既存の料理にさまざまな手を加えることで、その見栄えを良くしてコマーシャルに必要な「いかにも美味しそうな映像」を作り上げる専門家なんだとか。

フードスタイリストについては過去に「特命リサーチ200X」という番組で特集されたことがあり、幼い頃に私も観ていた記憶があるのですが、そこに出てきたフードスタイリストたちは、例えば「ご飯の湯気を出すためには熱したパチンコ玉をお椀の下に敷き、その上にご飯を載せて上から水をかけることでカメラマンが指定したときにいつでも湯気を出せるようにする」とか、「具材の見た目を整えるために、常に同じ大きさにカットする」「焼き魚の照りを出すために表面にニスを塗る」など、およそ料理というよりは工作のような方法を使って、広告に使用する料理写真を作り上げていたことをよく覚えています。

ちなみに、フードスタイリストの発祥は米国だそうで、依然として日本ではあまり馴染みのない職業のようですが。美味しそうな「食」の映像は国内でも見かけない日はないと言ってもいいですし、こうしたプロフェッショナルたちが陰で活躍していることはまぎれもない事実です。

最近では女性を中心に「料理の写真」を撮ることが流行っているようですし、「料理を美味しそうに撮る」というハウツー本は数あれど、「写真を撮ることを主目的にして、料理自体に直接手を加えて元から美味しそうに見せる」といった本はあまり見かけない気がするので、もし、第一線で活躍するフードスタイリストの人がこういうジャンルに特化した本を書いたら、案外人気が出そうに思えるのは私だけでしょうか?

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